九州ギャザー(アクセントは「九」と「ザー」に)
この前、「トップランナー」阿部サダヲの回の録画を
遅ればせながら見ました。紅白に出場してからグル魂
のアルバムの売上が俄然変わったとの話が出てきたの
ですが、紅白見ただけでほとんど予備知識のない人達
が、やれ「ペニスJAPAN」だ「ともかず」だ、更には
「ED」だ「Over 30 do the 魂」といった曲を聴いて
耐えられるのでしょうか(^^;)。
遅ればせながら、「TMC」の感想続きです。
(M23)グループ魂の弟オーディション最終選考
〜九州篇〜(M24)TMC〜(M25)バカからの小包
これ、コントから曲への連作でどれも非常に素晴らしい
出来なのですが、ここでは特にM23のコントに的を絞り
話を進めていきたいと思います。今回は少しばかり固い
話になります。
傑作コント「あの歌の故郷を訪ねて」(アルバム
「Run 魂 Run」収録。あのナンバーガールの最後
の公式レコーディングだったりもします)から約
3年、中州元気君(荒川良々)と向井徳次郎(向井
秀徳)の黄金のコンビが「九州ギャザー」という
しょーもない(笑)名を冠して再登場です。
ネタバレを避けるため内容の詳細は伏せますが、
ブラックテイスト濃厚な笑いが随所に散りばめられ
中々に刺激的な内容です。
で、まずこれから聴こうという方に予め断っておくと
元気君、知的又は精神的な部分にハンディキャップ
を持ってます。そんな元気君のある「とんでもない
事実」を知った徳次郎は、元気君のため「宇宙楽器」
もといショルダーキーボードを購入し、世界規模
どころか宇宙規模のレコードデビューを目論んで
しまう(笑)。
普通の人間なら、まず最初にこのコントを聴いて
「四の五の言わずに病院連れて行ってやらんかい!」
とツッコミを入れると思う。管理人もそうでした。
ただ、そこで考えて少しギョっとしたポイントが
「病院連れてくというのは「通院治療」という意味か、
それとも「隔離病棟に放り込む」という意味なのか」
という点なのだ。
「隔離病棟送り」という意味で「病院連れてく」という
言葉を使ってる人には、「ブラックジャックによろしく」の
精神科編を是非読んでいただきたい。このコミック
を読んで、精神科病棟がどんな所か、精神病患者を
とりまく状況がどんなものなのか、概要でいいから
まず掴んでおいた方が良いでしょう。
要はこのコントを聴き込んで、管理人が何を考えたか
というと、この作品は
「落語の与太郎話の伝統をクドカン流に継承したもの」
であり、ものすごく大袈裟に言えば
「クドカン流のノーマライゼーション理念の表現」
ではないかなという事なのだ。
上に書いた思い付きのヒントになったのはドラマ
「タイガー&ドラゴン」です。
このドラマ、管理人的にはクドカンの最高傑作と
思っているけど、古典落語の筋書を巧妙に現代に
落としこむ作業は、春風亭昇太及び高田文夫(注)
といった「高田ファミリー」の協力がなければ
大きな困難を伴った(と言うよりまず不可能)
だろうし、元来師匠的な存在の高田文夫(→クド
カンと高田先生どちらも日大芸術学部出身。さらに
クドカンは若い時分「ビートたけしのオールナイト
ニッポン(→高田先生が番組の主要ブレーンの一人
だった)」のハガキ職人もしていた)との交流に
より、クドカンは落語の精神的な面についても理解
を深めたのではないか、そしてその成果がこの作品
に現れているのではないかという気がする。
高田先生の著書「洒落ごころ」に収録されている評論
「もっと「現代落語論」−私が立川談志になる日」の
中に、ヒントとなった一節があるのでご紹介します。
「与太郎なんて馬鹿でしょう。それを落語では平等に
扱っちゃっている。だから、やさしいんだよね。
そういう豊かさがある。ある意味では、心が豊か
だね。みんな同等で助け合っている。それが、江戸
の町人文化ですよね。あの頃のほうが、本当に差別
がなかったんじゃないですかね。逆に豊かで、
みんな同等だと思っているから、与太郎だろうが
馬鹿だろうが平気で出てくる。いまは、臭いものに
蓋しちゃって、放送禁止用語があるでしょう。」
上の一節を踏まえたうえで、このコントを聴いてみて
下さい。クドカンそしてグル魂の持っている「深さ」の
部分を感じることができるかもよ。
以上で「TMC」のコーナーはお開きです。このブログ
を読んでいただいて、グループ魂に興味を持った人
そしてCD買ってくれた人が一人でも多く出てくる
と嬉しいです。
(注)高田文夫
日本を代表する放送作家の一人、ビートたけしの
最高のブレーンであって、ニッポン放送のレギュラー
番組「ラジオビバリー昼ズ」で、お笑い中心に旬の
情報を発信し続けるDJ(→「クレイジーケンバンド」
と「大西ユカリと新世界」を、管理人はこの番組を
通じて知りました)、そして「タイガー&ドラゴン」
の「高田亭馬場彦」と様々な切り口で語られる人
ですが、高田先生は(ファンには周知の事実です
が)立川談志門下で「立川藤志楼(とうしろう)」
の高座名を持つ真打の落語家でもあります。
高田先生の落語は「高田文夫VS立川藤志楼
20世紀の爆笑伝説」(東芝EMIよりシリーズで8
作品がCDリリースされてます)で聴く事ができます
が、落語の中に現代のギャグ・時事ネタ等を巧み
に盛り込み、貪欲なまでに笑いを取る手腕が非常に
印象的。興味のある方はぜひご一聴を。



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