おやぢいらんかぇ〜
皆様は「P-VINE」(ぴーゔぁいん)(注)という
名前のレコードレーベルを御存じでしょうか。
ブルース、ソウル、ファンク等といった黒人音楽の
クラシックや日本のロック黎明期の隠れた名盤等、
かなりマニアックな作品を掘り起こしてはリリース
してるこのレーベルからは、
人間の「業」や「情念」といったもの
が濃厚に詰まった「とんでもない」音盤がしばしば
飛びだします。あの「クレイジーケンバンド」や
「大西ユカリと新世界」を初めて世に知らしめた
のもこのP-VINEレーベルでしたし、「幻の名盤
解放歌集」シリーズでは、一般的には「珍盤・奇盤
・怪盤」の類に該当するような、かなりトンデモな
昭和歌謡の数々(→梅宮辰夫兄ィの「ダイナマイト
ロック」や「シンボルロック」等といった凄まじい
(笑)一連の楽曲を自分はこの歌集で知りました)
を掘り起こしまくっていました。
そんなP-VINEから、「やってしもうた」感濃厚な
グループがまたまた出てしまいました(笑)。今回
は五十路を超えた中年おやぢデュオ「ペーソス」の
御紹介です。
作品を紹介する前に、グループの概要について触れ
ておこうと思います。おやぢデュオと書きましたが
上の辛気くさ〜い(笑)ジャケット写真から分かる
ように、正確には「専属司会」を含めた3人組の
グループです。
(ボーカル/作詞)島本 慶:山口県出身 53歳
(ギター/作曲)岩田 次男:愛知県出身 52歳
(専属司会)スマイリー井原:東京都出身 40歳
このペーソスというグループ、以前にィ横山剣さん
が自身のラジオ番組の中で絶賛していたりで、名前
だけは聞き及んでいたけど、初めてきちんと聴いた
のは「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」でした。
忘れもしません(笑)、今年の「成人の日」の特別
企画でスタジオライブを披露してたんだが、新成人
の晴れの門出を祝う日にリストラ失業親父の歌など
を実に陰気臭くかつミもフタも無く歌い上げ、祝賀
モードを見事にブチ壊す演奏を、新年の祈祷御祓い
で川崎大師に向かう車中で、管理人は衝撃受けつつ
爆笑しながら聴いておりました。
ペーソスの音楽について、一言で言うと「ムード・
コーラスの変種・特殊版」という事になるのかな。
で、その特徴は「ミもフタも無い&暗く救いの無い
歌詞」に尽きるでしょう。
「ミもフタも無い歌詞表現」というのは、一部の
ムード・コーラス(島津ゆたかの「ホテル」とか、
ムード歌謡/ムード・コーラスの世界には、凡百の
ロックをはるかに凌ぐ凄まじい歌詞の曲が「潜伏」
してたりするんですね^^;)等を源流に、クレイジー
ケンバンドの「スポルトマティック」で一つの完成
形を見たというのが管理人の私見なんですが、さら
に私見を進めさせてもらうと、CKBのミもフタも
無い表現方法を
「中坊〜高校生の視点」から「下ネタ/下半身の
煩悩のベクトル」に掘り進めると「グループ魂」
になり、
「中高年オヤジの視点」から「悲哀、絶望感、
寂寥感のベクトル」に掘り進めると「ペーソス」
になる
と管理人は見ています。
ペーソスの歌詞表現の物凄さの一例として、CD
4曲目の「公園の風景」(ビバリー昼ズのライブ
でも演ってました)の一節を抜粋してみます。
スーツ姿はホレボレの イケてるオヤジかも
だけど本当はコスプレさ 立派なプータロー
さらに言うと、ペーソスの音楽・歌詞表現のもう
一つの特色が「淫靡さ」。同じスケベでもグル魂
の「幼児退行を思わせるノーテンキなスケベ」と
は真逆で、この人達のスケベさは陰湿で閉鎖的な
匂いがするんですね。
例えば、CDの6曲目「わたしズルイんです」。
小津安二郎の名作映画「東京物語」での原節子を
モチーフにした(→原節子をモチーフに使ってる
時点で現代の価値観とかなりズレてる気がします
が....)と言いつつ、出来上がった歌詞の中身は
夫がある身の女が若いイケメン坊やと浮気して、
まぐわい感じちゃって声まで上げちゃった挙句、
夫にその姿を見せて3Pに巻き込もうか懊悩する
というトンデモない代物。こうした陰湿かつ倒錯
したスケベさは、「舐達磨親方(→「なめだるま
おやかた」と読みます。しかし何とも素晴らしく
最低なネーミングセンスです^^;)」のペンネーム
で、20年以上もの間風俗ライター界の第一人者と
して活動し続けた(→それとも現在も活動中?)
島本氏だから書ける世界と言って良いでしょう。
今回のブログはこれでお開き。ペーソスの音楽は
万人にお勧めするには少し特殊すぎる(笑)気も
しますので、興味を持たれた方にはこちらのHPで
試聴してみると良いのではと思います。
(注)「P-VINE」(ぴーゔぁいん)
P-VINEとは、正確には(株)ブルース・インター
アクションズという出版社が運営するレコード・
レーベルの一つです。大雑把に言うとブルース〜
が取り扱う音源で、マニア向けの作品はP-VINE
から、そしてCKBと「大西ユカリと新世界」関連
の作品(=メジャーなレコード会社からの配給が
可能な「ある程度売り上げが見込める」作品)は
もう一つのレーベルである「サブスタンス」から
発売するという方法を取っているようです。



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