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2007年5月26日 (土)

本物の海賊....

柄にもなく「パイレーツ・オブ・カリビアン3」が気
になる....。
ハリウッド・ムービーでしかもディズニー製作なんて
時点で自分のストライクゾーンからは思いっきり外れ
まくってるし、挙句に製作のビル・ブラッカイマーは
(あらすじ聞いただけでも100%クソ映画だと分かる)
「パール・ハーバー」の制作者じゃん。今回紹介する
「超ビッグ・ネームの誰かさん」の言葉を拝借すれば
さしずめ「そんな映画見せられるなんてゾッとする」
ってところっす。
そんな管理人が何でこんな映画を気にするかっつうと
ひとえに

「超ビッグネームの誰かさん
 = キース・リチャーズ」

の一点に尽きるんだよなぁ。

Pirates1_1Pirates2_1









こんな写真がネットに載せられた日には......

最初ネット上で「キース、ワールド・エンドに出演」
のニュースを見た時、ディズニー映画とストーンズの
余りにミスマッチな組み合わせ(→「パイレーツ〜」
なんて英語で言ってみたところで、「カリブの海賊」
なんて、ディズニーランドでもあんまり人気なかった
アトラクションじゃなかったっけ?)に違和感を感じ
さらに「キース、変に人間が丸くなっちゃったんじゃ
ない?ミックみたいな変な商売っ気を出しちゃったの
かなぁ....」などと少し不安になったもんでした。
でもね、

キース、「パイレーツ3」撮影現場で泥酔

とか

キース仰天告白「親父の遺灰を吸引した」

なんて記事を読んで、この人何にも変わってないわと
正直安心した。キースの唯我独尊の暴君ぶりに真っ青
のゴア・ヴァービンスキー(監督)やブラッカイマー
といったスタッフ連中の絵が浮かんで見えて、思わず
微笑ましくなってしまう。
「シラフの奴が必要なら呼んだ相手が間違ってるぜ」
ってキースの言葉は、たぶん「たかが映画屋風情が俺
を意のままに扱おうだなんて思うなよ」というこの人
一流の先制攻撃だね。「喧嘩は先手必勝」という不良
の世界に留まらない鉄則をキースも当然に心得ている
んだと思う。
思えばあの「ヤシの木転落事件」だって、下手したら
キースがヴァービンスキーに無意識の内に釘刺してた
のかも。さすがにそりゃ考え過ぎかな?

キースが書いた曲に「You don't move me」という曲
がありまして、管理人が大好きな曲なんですが歌詞を
ここで紹介してみようと思います。


(歌詞)
You made the wrong motion
drank the wrong potion
You lost the feeling, not so appealing
Why do you think you got no friends
you drove them around the bend
You don't move me any more

Now you want to roll the dice
You already crapped out twice
You just don't move me any more

One face so seamy, the other don't see me
It's better to kill the light
You're giving us all a fright
You just don't move me any more

How you going to keep your wealth
Can't even defend yourself
Oh yes oh no you just don't move me any more

What makes you so greedy, makes you so seedy
No matter how you flip that dime
all outside is the same

It's no longer funny, it's bigger than money
You just don't move me any more


(管理人意訳)
お前は合図を間違えた
キメるべき一服を間違えたんだ
お前は感情を失くしたんだ 心に訴えかけないよ
何で自分に味方が居ないなんて思い込むんだ?
あいつらを怒らせたのはお前自身だよ
お前の意のままに動く俺じゃない

今更になってサイコロを振りたがるお前だけど
もう二度も機会をぶち壊しにしてるんだぜ
お前なんかの意のままになる俺じゃない

一方の顔はさもしく、もう一方の顔は俺を見ない
明かりを消した方が良い
お前は俺達みんなをゾッとさせてるんだよ
お前なんかの意のままになる俺じゃない

どうやって自分の富を守る積りなんだ?
自分自身さえも守れっこないぜ
お前なんかの意のままになる俺じゃない

何がお前を強欲で、器の小さい奴にさせてるんだ?
いくらお前がコインをひっくり返した所で
外の世界は何も変わりゃしないんだ

もう笑い事じゃ済まない カネより大きな問題
お前なんかの意のままになる俺じゃない



You don't move me, お前に俺は御せないぜ。
誰にも屈従せず、誰の指図も受けず、己れの信念・
価値観を貫き通して生き抜く。そんなキースの行動
原理なり哲学を最も端的に表現したのがこの歌詞だ
と思う。さらに言えば、狂気じみたまでのロックン
ロール・ライフの中でもそうした哲学・美学を守り
続け、ミュージシャンとして40年以上の長きを生
き抜いた事こそキースの凄味の根源だ。

ところでこの曲、実はストーンズが解散の危機に瀕
していた(注1)当時において、キースがミック・
ジャガーに寄せた痛烈なメッセージである。
かの天下のミック相手にかくも辛辣な言葉を浴びせ
られるのは恐らくはキースだけだろうし(→それと
「ミックをブン殴れる人間」という事なら、たぶん
そこにチャーリー・ワッツ(注2)を加えてもOK)
さらに言えば、世界有数のセックス・シンボルたる
ミックをネタにし、かくもサイテーかつ爆笑ものの
ジョーク
を言って許されるのは確実にキースだけだ
(あのモンティ・パイソンだって、ミックをネタに
使ってここまでヒドい下ネタは飛ばせるかなぁ....)。

尊大で気紛れ、多情かつ癇癪持ち、頭がキレて人を
挑発するのが大好き。そんなパブリック・イメージ
を作り上げ(→虚像が一人歩きしている所ももしか
したら有るかもしれないが....)、レオニアンの典型
像を地で行く(→星座占いに科学的根拠はないんだ
けどね)ミック・ジャガーという人は、恐らく自分
以外の全ての人間を跪かせなければ気が済まない様
な人間だ。
そんなショウビズ界でも有数に面倒臭くて扱い難い
であろう人間を相手に、「お前に俺は御せないぜ」
と啖呵を切り、時には傷だらけになりつつ野性の猿
の首根っこを押さえ込み殴りつける猿回し(→以前
にテレビで猿回しの調教の様子を見たことがあるの
ですが、正直目を背けたくなるような苛烈なシーン
でした)のような思いをしてバンドにつなぎ留め、
ローリング・ストーンズという看板を40年の長き
をかけてポピュラー・ミュージックの世界で最大の
バンドに育て上げる。そんな仕事はそれこそ途方も
なく難儀な代物だろう。
そんな芸当は、ジョン・レノンが倒れた夜(80年12
月8日)に「殺ったのはどこのどいつだ!」と怒り
狂い、スミス&ウェッソン製の拳銃を片手に一晩中
ニューヨークを駆け回ったような狂おしささえも秘
めた荒ぶる魂と、過酷なロード生活とアルコールに
留まらずヘロインそしてコカインといったハード・
ドラッグの過剰摂取にまで身を晒し、それでもなお
60余年を生き長らえるほどに強靱な肉体と神経(→
これって考えてみたら梶原一騎以上のタフネスだよ
たぶん)の持ち主でなければ、とても勤まりはしな
かったはずだ。
(ニューヨークでのキースの一件についてはこちら
のページ
を参考にさせていただきました。)

なんだか誰もが分かりきってる事をグダグダと書き
連ねてしまってる様な感じがして、ここまで書いて
気恥ずかしい気分だったりするんだけど、つまりは
常人の及びもつかない尺度や力学の世界の中で苛烈
な人生を送り、それでもなお己を見失わず「個人と
しての誇り」を守り抜いてきた、そんなケタ外れな
人間なのだキース・リチャーズという人は。どだい
しがない映画屋が軽々しく手なずけられる人間では
ないってば。

そんなケタ外れな人間を、たかだかディズニー風情
が引っ張り出すなとまでは言わない。でも使うので
あればそれなりの「畏れ」がなければダメだろう。
単なる「恐れ」ではなく「畏れ」である。恐怖の中
に確たる敬意が無ければダメなのだ。
キースを単に金儲けのダシに使おうとするふざけた
了見の持ち主は、とんでもない祟り神に遭う羽目に
なるんだろうな、きっと。(こちらのページに書か
れていますが、まさに「海賊映画にホンモノの海賊
を使っちゃいけません」という事です。あはは)

Rollingstone









キースの「息子の友達」ことジョニー・デップは、
その辺りを一応は心得ていたようだ。ローリング・
ストーン誌の最新刊でのキース×ジョニーの対談で
キース曰く

「『パイレーツ1』の撮影に入る前に、ジョニーが
電話をよこしてきて“あなたにお知らせしなければ
ならないことが....今度のキャラクター(ジャック・
スパロウ)を演じるのに、あなたを参考にしました”
と言ったんだ。
よくぞ知らせてくれた。ありがとう、ジョニー。
別の方法だったら、お前のケツに見舞ってやる所
だった

期待を裏切らない実にキースらしいコメントだ。
全くもって最高である。

(注1)
80年代後半のストーンズは解散説がしばしば音楽誌
上に流れるような不穏な状況だった訳ですが、その
発端となったのはミック・ジャガーのソロ活動。
ミックは80年代に「She's the boss」(85年)と
「Primitive cool」(87年)の2枚のソロを発表
しますが、この事がストーンズ本体の活動に支障を
及ぼすようになります。
特にストーンズがアルバム「Dirty work」(86年)
を発表した際、キースがアルバム発売に伴うツアー
活動を強く希望するのをよそにミックは「Primitive
cool」の製作を開始し、ツアー計画は頓挫。これに
よりキースとミックの対立は「解散秒読み」と言わ
れるまでに激化しました。
「You don't move me」の歌詞に出て来る「お前は
もう二度も機会をぶち壊しにしたんだ(You already
crapped out twice)」という一節は明らかにこの
辺りの事情を指しています。
(なお、上記の背景事情については越谷政義氏に
よる「Dirty work」(94年再発版)のライナー
ノーツを参考にしました。)
(注2)
ストーンズの全メンバー中で唯一離婚歴がなく、
一番常識人らしい風貌をしたチャーリーですが、
アルバム「Steel Wheels」(89年)発売に伴う
ツアーの際、自分を「My little drummer boy」
(俺のかわいいドラマーの坊や)とおちょくった
ミックを「二度と俺をドラマー・ボーイなんぞと
呼ぶな!」と殴り倒したというなかなかに痛快な
武勇伝を残してます。ブン殴られたミックの方は
「ストーンズのドラムは仕込めばサルでも叩ける
ぜ!」と減らず口を叩いたそうですが、キースの
「やめなよミック、クールじゃねえ」の一言に二
の句が告げなくなったそうな......

最後にアルバムを1枚御紹介します。

Talkischeap









「Talk is cheap」/Keith Richards

売れっ子セッション・ドラマーであるスティーヴ
・ジョーダン
をパートナー(共同プロデュース)
に迎えて製作されたキースの1stソロ・アルバム
(88年)。今回歌詞を紹介した「You don't move
me」も収録されています。
まるで時計の針のような正確さで2拍4拍に高い
ピッチのスネアをビシバシ叩き込むスティーヴの
ドラムスはチャーリー・ワッツのそれをも彷佛と
させる痛快なサウンド。それに絡みつくキースの
ザックリとしたギターも生き生きと響いてきて、
聴いててホントに気持ち良い。
2曲目「Take it so hard」やラスト「It means
a lot」の正調キース節と呼ぶべき絶妙なルーズ
さ加減、6曲目「You don't move me」での火を
吐くようなアグレッシヴさ、それに7曲目「How
I wish」の突き抜けた高揚感などなど、ロックン
ロールのエッセンスをストーンズ以上の高濃度で
蒸留・抽出したような極上の8ビート・ナンバー
がズラリ目白押しです。
その一方、スティーヴはじめ辣腕ミュージシャン
達のサポートを得て、キースが黒人音楽・ルーツ
ミュージックに対して抱く愛情なり敬意といった
ものを恐らく本人の予想さえも上回る高いレベル
で形にできた点もこのアルバムの大きな魅力だと
思う。
5曲目「Make no mistake」での高級感さえ感じ
させる芳醇なR&Bサウンドは、恐らくストーンズ
で表現するのは難しいだろうし、オープニング曲
の「Big enough」に至っては何と正調ファンク。
ブーツィ・コリンズ、バーニー・ウォーレルさら
にはメイシオ・パーカーといったPファンクの重鎮
を招き入れ、ストレート・アヘッドなファンクに
キースが真っ向から挑んだ痛快なナンバーです。
キースの渋荒なカッティング・ギターとブーツィ
のコテコテなスペース・ベースの絡みは、カツオ
の刺身とマヨネーズの組合わせを思わせる(笑)
意外な相性の良さ。

どちらかと言えばビートルズ派であって根負いの
ストーンズ・ファンではない管理人も、この作品
にはドップリとハマって一時期馬鹿みたいに聴き
まくってました。今聴いても本当に飽きが来ない
アルバムです(ちなみにキースからこのアルバム
を聴かされたミック、ちょっとマヌケだけど素敵
なエピソードを残してます。詳しい内容はこちら
のページ
に紹介されていますが、このエピソード
こそこの作品の素晴らしさの最高の証明かも)。
という訳で「パイレーツ・オブ・カリビアン3」
を観て「キャプテン・ティーグ・スパロウの正体
ってどんな人?」と興味を持たれた方に。悪い事
は言わないからすぐにタワー・レコードなりHMV
なりにゴー!でもってこのCDを是非ゲットして!
ネット・ショッピングに慣れている人ならば当然
こちらで注文するのもOKっす。
もしくは「つたや」のチェーン店でも気の利いた
店ならCDレンタルに置いてるから、「パイレーツ
〜」のDVDとセットで借りるのもアリかもね。

2006年12月23日 (土)

ご無沙汰してました・・・

仕事忙しいのとギターの練習にかまけて(弾き方
を指弾きに変えて悪戦苦闘しながら練習してます)、
3ヶ月もの間ブログ更新ほったらかしてた。もう12
月下旬です。紅白の出場者どころか曲目まで発表され
る時期になってしまいました。グループ魂、さすがに
今年はお声がかからなかったようで….。けれども何か
パッとしないよなぁって、紅白の出場者なんざパッと
しないのが普通なんだけどね。BONNIE PINK
が出るって実は少し嬉しかったりもするのですが、最近
の曲って正直自分のストライクゾーンから外れがちなん
だよなぁ。そんな管理人にとっての「ど真ん中」(By
長州力or小力)なアルバムは「Evil and Flowers」、
「Let Go」に「Even So」の3つなのです(って考えて
みたらこれ全部外国人プロデューサーの作品だ。やっぱ
「バタ臭い」音の方が好きなんだな俺)。
それはさておき久しぶりの作品紹介です。8月から11
月までの間、実はかなりナイスなCDが出てました。

■「Seven & Bi-decade」
/吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ
Boppers_1



前作「Squeezin’ & Blowin’(以下「4thアルバム」と
略)」から4年半と意外に「短い」インターバルで発売され
たバッパーズの新譜。「何、4年半が短いって?」と首を傾
げる方には、前々作「Stompin’ & Bouncin’(以下「3rd
アルバム」と略)」から4thアルバムの発売まで11年以上
も待たされた事を補足させていただきます(笑)。なお新譜
の発売に合わせて3rdアルバム及び4thアルバムもビクター
から再発されました。これを機会にバッパーズのご機嫌な音
を追体験してみるのも良いのでは?
中身のほうは基本的に27年間(=Seven & Bi-decade)
相変わらずのバッパーズ節。総勢12人編成のビッグバンド
による超ご機嫌なジャンプ・ブルース・サウンド(こんな音
をこの人達はブライアン・セッツァー・オーケストラよりも
10年年以上も前に演ってたのだ。)に独特のセンス・オブ
・ユーモアに満ちた歌詞が乗っかれば、その時点で充分魅力
的なエンターテインメントが成立する訳で、(AC/DCの
黄金のワンパターンと同様で)何も奇をてらう必要がないの
です。マンネリの強みです。吾妻氏のギターも随所に聞ける
チョップ(スウィープ)(注)のフレーズは相変わらずの鋭
い切れ味。(ついでに言うと、自分がギターの指弾きを練習
するようになった本格的なキッカケも、実はジェフ・ベック
とこの人だったりします。)
ただ、2曲目「IT Boogie」(なお「IT」の読みは「いっと」
ではなく「あい・てぃー」の方です。)のかなり冷笑的な詞
などは今までには無かったものかも。この曲、ITビジネス界
特にホリエモンを痛烈に皮肉った曲で、「時間外取引だぁ」
だのと相当悪意に満ちたフレーズが出てきます。吾妻さんも
ホリエモンという「生物(→正直あそこまで「公共」という
概念が欠落した存在は、人間として扱ってはならんような気
が俺個人としてはするんだなぁ。言い過ぎでしょうか?)」
の存在にはどうにも我慢がならなかったのか?
個人的にお気に入りは、4曲目の「しかしまあ何だなあ」と
9曲目の「学校出たのかな」。かなり汚い例えになりますが
どちらの曲も酔っ払いのゲ●のごとく可笑しさが腹の底から
じわりと「こみ上げてくる」歌詞でございます。うぷぷぷ。
特に「しかしまあ何だなあ」の歌詞は、私見になりますが実
は「日本流メッセージ・ソングの正しい在り方」かも。

(注)チョップ(スウィープ)
ギターの奏法の一つで、複数の弦(大体3〜4本位のケース
が多いでしょうか)を一方向に「なぎ払う(スウィープ)」
ように弾くことで、速いフレーズを効率的に演奏しようとす
るもの。ジャズ・フュージョンやヘビメタの世界でよく用い
られる奏法ですが、ブルース・ギターの世界でも類似の奏法
が「チョップ」と呼ばれて用いられます。

■「GALAXY」/クレイジーケンバンド
Ckb_1



CKBは管理人がデビュー盤から全てのアルバムを集めて
いる数少ないバンドの1つなんですが、(全部出来が良い
のは当然として)管理人が彼らのアルバムに「ハマる」か
どうかの分かれ目が「16ビート系人力グルーヴ濃度が高
いか否か」という1点なんですね。そうした点で言うと、
この作品は自分的に「ずっパマり」の一作でした。
9曲目の「アイワナゲチョラ」で聴けるJBマナーの直球
ファンクに、10曲目「ゆっくり跳ねる音楽」のタイトル
通りの心地良いミディアムグルーヴ(ラストにJBの「Get
up,Get into it & Get involved」のフレーズを引用する心
憎いアレンジも)、それにブランニュー・ヘヴィーズを思
わせるダンサブルな21曲目「ボタンのかけ違い」なんか
はモロに自分のストライクゾーン。
加えて「ミディアム・ソウルなバック・トラックに三味線
による和モノ・メロディを載せた(「大西ユカリと新世界」
も顔負け!)破天荒なアレンジ」が強烈に印象的な3曲目
「AMANOGAWA」に、5曲目「メリメリ」の(子供
の頃に剣さんが聞いた「アメリカ人の豪快な(大の)排泄
音」からタイトルを思い付いたなどと到底思えぬ)ロマン
チックな求婚ソウルぶりも自分のお気に入りです。
そんな中でひときわ度肝を抜かれたのが、2曲目の「ハマ
のアンバサダー」で客演しているFIRE BALLとPAPA Bの
ラップ。
実を言えば自分、基本的に日本人によるラップって大嫌い
なんですが(→例外的に唯一好きだったのが「近田春夫と
ビブラストーン」。あ、それと「坂上弘」さんもいるけど
あの人は「ラッパー」に分類していいのか?)、この曲で
のジャズ・サックスのアドリブさえも連想させるある意味
「器楽的なラップ」を聴いて、「日本語によるラップはお
笑い・マヌケ美の文脈でしか成立しない(ちなみにビブラ
ストーンはこの「笑いの視点からの日本語ラップ」を追求
し、また極めて効果的に聴かせるグループでした。)」と
いった管理人の思い込みは木っ端微塵に吹っ飛びました。
ホントに目からウロコのライムです。

■「おんなのうた」/大西ユカリと新世界
Oonishi_1



森センセによるスラップ(チョッパー)・ベースが小気味
良い3曲目「涙のディスコ・ナイト」に9曲目「ちょっと
まちがえた(ポンチャック アッサ!アガシ!バージョン)」
で聴けるポンチャックアレンジのアホアホさ加減(ユカリ
姐さん本人による「じょわじょわー」、「しおしおー」と
いうマヌケな合いの手が頭ん中ループしまくります。)、
横山剣さん作曲による和田アキ子の隠れた名曲を地を這う
ような低重心ファンクに仕立て上げた12曲目「ルンバで
ブンブン」等聴き所の多い作品ですが、このアルバムは何
と言っても4曲目の「「県警対組織暴力」をもう一度」に
尽きる!
「「県警対組織暴力」をもう一度」、このタイトル1つを
取っても充分にKO狙える破壊力ですが、歌詞のほうも

「♪県警対組織暴力 笠原和夫
アンタがなんべんも言うてたから
脚本の人まで憶えてる」

といった、まるでグループ魂の「Vシネへの偏愛」溢れた
歌詞を「東映実録ものヤクザ映画」のベクトルに置換えた
が如き濃さです。しかし、上記のような「普通に歌えば9
割5分笑いが取れてしまう」だろう歌詞を「ユカリ姐さん
による情念溢れまくりのド迫力の歌唱」と「新世界のメン
バーによる緊張感みなぎる伴奏」によって「凄絶なトーチ
ソング」に仕上げてしまう力技こそ、この曲の本当に凄い
ところ。かの「ゴッドハンド」大山倍達が語ったとおりで
「技は力の中に在り」なのです。
ただ、今回のアルバムで1点だけ不満を言うならば

「なぜ「アパッチ野球軍」を入れてくれなかったのか」

ということ。最近新世界ライブの定番になってるこの曲
(むろん、あの「アストロ球団」と並び称される「狂気
の」スポ根野球マンガ「アパッチ野球軍」のテーマ曲)、
この前新世界の東京公演を見る機会がありまして、そこ
で初めて聴いたのですが、ユカリ姐さんによる「度胸!
度胸!」のシャウトの余りのド迫力さ加減に完全にブチ
のめされました。あの迫力は正直もう和田アキ子さえも
超えてしまったんじゃないかね?という訳で「アパッチ
野球軍」の音源化、切に希望します!

■「Christmas Is 4 Ever(ブーツィ・コリンズの灼熱
のファンクリスマス)」/ブーツィ・コリンズ
Bootsy_1



管理人が世界で一番好きなベーシストの1人、ブーツィ
新譜です。前作の「Play with Bootsy」(→「ファンク
だよ、全員集合!!」などという素晴らしくアホな(笑)
邦題が付いてました。)が歌モノ重視の作品で、「ベーシ
スト」ブーツィを楽しむには正直物足りなかったのと一転
し、今回は「ウ●コみたいに汚い音(爆)」とまでかつて
評されたブーツィの「スペース・ベース」(注)がアルバ
ムのほぼ全編で炸裂してます。
8曲目の「Boot-Off(赤鼻のトナカイ)」で、あのお馴染
みのメロディ(♪真っ赤なお鼻の〜 トナカイさんは〜)
を「地鳴りを思わせる轟音のディストーション・ベース」
で弾かれた時にゃ、余りのアホさ加減に電車の中で思わず
吹き出しちゃったもん。
今回のアルバムは何と「クリスマス・アルバム」という事
で、収録曲全13曲の多くがクリスマスのスタンダード・
ナンバー(「ジングル・ベル」、「サンタが街にやって来
る」、「きよしこの夜」や「そり遊び」等を収録)で占め
られていますが、音のほうはブーツィのスペース・ベース
も含めていつも通り、下手すりゃいつもより過剰な位のP
ファンク・サウンド。
ゲストにはバーニー・ウォーレル、フレッド・ウェズリー、
ゲイリー・シャイダー、マイケル・ハンプトン、ブラック
バード・マックナイト等Pファンク主力メンバーに加えて
スヌープ・ドッグなんてモノ凄い面子も参加。しかしかの
「極悪ラッパー(収監経験数知れず)」スヌープがブーツィ
の作品で見せる献身ぶり(前作にも参加しています。)に
は改めてブーツィの人徳と言うか人間的魅力の深さを見る
思いがします。
6曲目の「Winter Funkyland(ウインター・ワンダーラ
ンド)」などは、ブーツィのコテコテ濃厚なボーカルにP
ファンクのディーバ(「歌姫」というにはもういい歳した
オバチャンだったりするが)ベリータ・ウッズが「あした
順子師匠を更に一回りエグくした」ようなダミ声で絡んで
くるうえ、バックではスペース・ベースがピャウピャウ、
ビャウビャウと汚く鳴り響くといった、なかなかにオツな
趣のクリスマス・ナンバーです。CDジャケ帯の「聖者も
腰フリ踊り出す!」というコピーもなるほど納得。超アホ
アホかつ愉快で、心底楽しめるクリスマス・アルバムに仕
上がっています。

(注)スペース・ベース
Spacebass_1



ブーツィ愛用のベース「スペース・ベース」は、「星の形を
したボディ」が強烈に印象的(上の写真参照)。ブーツィは
この星形のベースにオート・ワウ、ディストーションを中心
に時に20個以上にも及ぶエフェクターをつなぎ、ベースと
は到底思えない「自己主張の塊」のようなド派手な音を出し
ます。

今回のブログはひとまずここまで。12月にはグループ魂の
ミニ・アルバムも新しくリリースされたし、次回は是非こい
つを取り上げてみようかなと思っています。

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